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「ゴスペル」と聞けば 

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The light shines in the darkness, but the darkness has not understood it.--John1:5

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 「ゴスペル」と聞けば、音楽ジャンルの一つと思われる方も多いと思いますが、もともとゴスペル(GOSPEL、God Spell、神の言葉=Good Spell良い知らせが変化した言葉だと言われている)とは、日本語で「福音(福音=良い知らせ)」を意味し、聖書のメッセージそのものを表わすことばでした。すなわち、本来音楽とは無関係のことばだったわけです。しかしその後、聖書のメッセージにメロディーをつけた歌全般のことをも「ゴスペル」と呼ばれていくようになりました。今では、音楽のジャンルに関係なく、内容が聖書のメッセージであれば、ゴスペルミュージックと呼ばれています。実際、ロックゴスペル、カントリーゴスペルなど様々なジャンルのゴスペルが存在しています(最近はCCM=Christian Contemporary Musicとも呼ばれています)。

 上記が広い意味のゴスペルの説明とすれば、もう一つ狭い意味でのゴスペルと言えるものがあります。それが黒人霊歌を土台に生まれてきたものです。


 17世紀初めから、アフリカの黒人の方々は奴隷商人によって家畜同様にアメリカやヨーロッパ各地に売られていきました。そんな中アメリカに連れて来られた彼らは、主人たちからキリスト教を教えられます。現実の世界があまりにも悲惨だった彼らにとって、イエス・キリストの救いと、苦しみのない永遠の神の国の約束はかけがえのないものになり、彼らの多くは熱烈な信仰を持つようになりました。


 当初は、従来からあった賛美歌が歌われていました(”アメイジング・グレイス”もその一つ)が、やがて黒人の教会から、彼ら独特の賛美歌が生まれていきました。「黒人霊歌」として知られている歌の誕生です。1760年頃には最初の黒人霊歌が成立したと言われ、奴隷解放(1863年)後の1875年頃、フィスク大学の学生たちからなるフィスク・ジュビリー・シンガーズが、欧米各地を巡回して歌ったことにより広く知られるようになりました。その後、1920年代にトーマス・A・ドーシーが黒人霊歌をさらにポップな曲調で歌った事により、教会以外でも人気が出て一般的に親しまれるようになりました。その後、「ゴスペル」と言えば「アカペラ・カルテット」と思われる時代、いわゆる黄金期を迎え、その時代がジャズやソウル、R&B、カントリー、ロックンロールの源流と言われたりもします。


 さて、様々なジャンルの音楽が世に出る中、ゴスペルもアカペラだけでなくバンクバンドを従えて演奏するようになり、またそのリズムも多様になっていきました。そんな中で1960年代にアメリカの教会で登場したのが、「バンドを従えて大勢え歌うクワイア(聖歌隊)」というスタイルのゴスペルなのです。ゴスペルクワイアに所属する方々は、皆仕事を持ち、教会の聖歌隊で歌っている方々です。日々の生活の中で、聖書を通して生きる力や励ましを受け、歌を通してそのことを表現しているのです。


 肌の色に関係なく人は皆、人生の歩みの中で様々な困難に出会います。ゴスペルは、そうした今に生きる私たちにも語りかけてくれるものなのです。ゴスペルの中には「この苦しみはそうは長く続かない。私たちを愛する神が一緒にいるじゃないか!」という確信、希望がある曲が多く歌われています。

 よく「ゴスペル」が、人々に励ましや勇気を与える音楽として言われたりする事がありますが、それは
困難な状況の中にあっても、聖書のメッセージによって支えられ励まされた様々な人の歩みがつまっているからなのかもしれません。


(text by 波多康)